お知らせ
2018.10.01 / コラム
予防接種についてよくあるご質問①
インフルエンザの予防接種を検討し始める時期となりました。
そこで、今回は予防接種に関し、よくお問い合わせ頂く内容について触れたいと思います。
感染症予防のため、計画的に予防接種を受けて頂くきっかけになれば幸いです。
Q1.予防接種をすればその病気にかかることはないですか?
感染症に対する免疫を獲得するために色々な予防接種(インフルエンザ、肺炎球菌、風疹、麻疹など)を受けますが、残念ながらその効果は100%ではありません。ワクチンを接種したにも関わらず免疫が獲得できないこともあれば、一度獲得した免疫が低下してしまうこともあり、ワクチンの種類や個人差によっても獲得できる免疫力には差が生じます。したがって、『予防接種を受ければ必ずその病気にかからなくなる』とはいえません。しかし、程度の差はあれ、予防接種によって免疫を獲得することにはなるため、感染したときに病気が重症化するのを防ぐ効果は期待できます。つまり、感染したときに重い症状が出る病気であったとしても、予防接種によって症状が軽くすむ可能性が高くなるということです。特に、高齢の方、基礎疾患がある方、お子様では病気が重症化するリスクがあるため、予防接種を行うことが望ましいとされています。
Q2.妊娠中、授乳中の場合は予防接種は受けられますか?
妊婦さんへの予防接種は、ワクチンの種類によって接種が可能かどうかが異なります。
生ワクチン(麻疹・風疹ワクチン、水痘ワクチン、ムンプスワクチンなど)は、赤ちゃんへの影響を考慮して、妊娠中は原則的には接種しないこととなっています。麻疹ワクチン、風疹ワクチン、麻疹風疹混合(MR)ワクチンに関しては、あらかじめ約1か月避妊をした後、妊娠していないことを確認した上で接種し、接種後も2か月間の避妊が必要です。他の生ワクチンに関しては、明確な注意喚起はされてはおりませんが、計画的な接種の場合には同様の避妊期間をお勧めしております。(ワクチン接種後に妊娠が判明した場合でも、胎児に与えるリスクは極めて低いと言われていますが、安全を期し、このような対応となっています。)
また、不活化ワクチン(インフルエンザワクチン、日本脳炎ワクチン、肺炎球菌ワクチン、A型・B型肝炎ワクチン、狂犬病ワクチンなど)やトキソイド(破傷風)は、赤ちゃんに影響を及ぼす可能性は低く、妊娠中も接種可能です。(ただし、妊娠初期は自然流産の可能性が高い時期であるため、接種は避けたほうがよいとされています。)
一般的には上記の通りですが、当院での妊婦さんへの予防接種は、妊娠7か月以降の方のみとさせて頂いております。
授乳中の女性への予防接種は、ワクチンの種類を問わず可能です。
Q3.異なるワクチンを接種する場合、間隔はどのくらいあけたらよいですか?
生ワクチンの場合は接種後4週間以上、不活化ワクチンやトキソイドの場合は接種後1週間以上の間隔をあければ、次のワクチンを接種することができます。
Q4.1日にいくつかの予防接種を同時に受けられますか?
医師が特に必要と認めた場合には、いくつかの予防接種を同時に行うことは可能です。(あらかじめ混合して販売されているもの以外は、異なるワクチンを混ぜることはできないため、ワクチン1本ごとに1か所、針を刺して接種します。)
しかしながら、当院では副反応(ワクチン接種による副作用)の観点から同時接種は行っておりません。
お手数ですが、Q3にお示しした日数をあけての接種をお願いします。
Q5.風邪をひいている場合に予防接種は受けられますか?
明らかな発熱(37.5度以上)がある場合は、診察医の判断で予防接種を見合わせることがあります。
風邪、手足口病、突発性発疹等の一般的な感染症であれば、体調が回復した後に予防接種を行いますが、治癒から接種までの期間には明確な基準がありません。目安としては、治癒後2週間程度と思われます。
感染によって一時的に免疫機能が低下するとされている麻疹のようなウイルス性疾患では治癒後4週間程度、その他(風疹、おたふくかぜ、水痘など)の疾病の場合には治癒後2~4週間程度の間隔をあければ不活化ワクチン、生ワクチンともに接種可能とされています。
また、発熱がなくても、重篤な急性疾患にかかっている場合にはワクチンを接種することができません。
体調に不安がある場合は、接種前の診察で医師にご相談頂くか、予防接種の延期をご検討ください。
Q6.予防接種を受けるのに予約は必要ですか?
当院のインフルエンザ予防接種は予約制ではありません。希望される場合は、受付時間内にご来院頂ければ、随時接種を行っております。(詳細はインフルエンザ予防接種のお知らせを参照ください。)
破傷風トキソイドも予約なしで対応可能です。
その他、当院では希望があれば以下のワクチンの接種を行っております。インフルエンザワクチンとは異なり、以下のワクチンに関しましては、在庫がないため、電話での予約が必要となります。予約を頂きましたらワクチンをお取り寄せ致しますので、予約翌々日には接種が可能です。
◎生ワクチン
麻疹風疹混合(MR)ワクチン
水痘・帯状疱疹ワクチン
◎不活化ワクチン
百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオ混合(DPT-IPV、4種混合)ワクチン
日本脳炎ワクチン
A型肝炎ワクチン
B型肝炎ワクチン
肺炎球菌ワクチン
どのワクチンに関しても、接種前に医師の診察があります。診察時に、発熱やアレルギー等の理由で接種が難しいと判断される場合もございますので、ご了承ください。